
中小企業診断士試験の通信講座を調べれば必ず「スタディング」か「診断士ゼミナール」のどちらかに行き着くと思います。
どちらも中小企業診断士試験対策通信講座の大手であり、非常に人気が高まっている通信講座であり、甲乙つけがたい強みを持っています。
実際、初学者が両者を正確に比較して自分にあった通信講座を選び取るのは至難の業でしょう。
そこで今回は、通信講座を使って中小企業診断士試験に合格した筆者が、通信講座ツートップだある「スタディング」と「診断士ゼミナール」の比較を、初学者にもわかりやすくしていきたいと思います。
是非、最後まで読んで自分に合った通信講座を選び取ってください。
合格に大切なことは、教材選びに時間をかけず、素早い決断で試験勉強の時間を無駄にしないことですよ!
Contents
通信講座のメリット
私自身も通信講座で中小企業診断士試験に合格していますが、以前は予備校への通学が合格への一番の近道でした。
しかし、現在では通信講座でも予備校と変わらないレベルの受験対策ができるようになり、通信講座で合格する方も増えています。
予備校と比較した通信講座のメリットは以下のようなものが挙げられます。
・価格が半額から1/3以下
・スキマ時間の活用で勉強時間を確保しやすい
仕事の仕方が複雑化している現在においては、決まった時間の通学はなかなか困難になっています。
予備校は一度でも休んでしまうとカリキュラムについていくのが難しくなり、脱落してしまうケースもあります。
通信講座はスキマ時間での学習に特化しているので、通勤時間など業務の合間に勉強時間を確保することもできます。
さらに価格は予備校の半額から安いもので1/3程度に収まります。
そのような事情から通信講座を選ぶ受験生が増えているのです。
価格はどちらが安い!?
「スタディング」も「診断士ゼミナール」も価格が安いことを大きな売りとしています。
では、どちらがよりお得なのでしょうか。
まずは価格の比較から始めてみたいと思いますが、結論から申しますと下記の通りになります。
選び方のPOINT
・2年以上での取得なら診断士ゼミナールが安い!
診断士ゼミナールのコースは「一次二次プレミアムコース」のみの展開です。
スタディングは、「ミニマムコース」「スタンダードコース」「コンプリートコース」の3コースがありますが、カリキュラムと価格面を考慮すると比較対象は「スタンダードコース」になります。
それでは、この診断士ゼミナール「一次二次プレミアムコース」 とスタディング「スタンダードコース」
の価格を比較していきましょう。
一覧にしたのが下の表になります。
スタディングと診断士ゼミナールの価格比較表
通信講座名 | スタディング | 診断士ゼミナール |
コース名 | スタンダードコース | 一次二次プレミアムコース |
一般価格 | 63,690円 | 60,280円 |
割引額 | 5~10% | -5,500円 |
冊子購入 | 15,180円 | 20,350円 |
料金合計 | 74,926円 (5%引きの場合) |
75,130円 |
模試代 | 1,100円 | 他社の模試購入(5,000円~) |
合格祝い金 | 10,000円 | 30,000円 |
最終支出 | 66,026円 | 50,130円 |
※価格はすべて税込価格で揃えています。
短期決戦の場合はスタディングがおすすめ
ご覧のとおり、2つのコースの料金は3千円の違いで、ほとんど同程度の価格になっています。
1年~2年の短期決戦を狙う場合には、冊子購入+5%割引で安くなるスタディング「スタンダードコース」 がおすすめです。
スタンダードコースならスタディングの合格模試を1,100円で購入できますので、その点でもお得になります。
ただし、合格祝い金をいれれば診断士ゼミナール「一次二次プレミアムコース」が安くなります。
合格祝い金は合格した場合にもらえる不確定要素なので今は検討していませんが、絶対に合格する!という意気込みと自信がある場合は込みで検討してみてもよいでしょう。
その他、テキストの冊子購入が不要な場合は診断士ゼミナールの方が安くなりますし、スタディングの割引が10%の時期に購入した場合はスタディングの方がさらに安くなります。諸々の条件で違いはでてきますので、その都度確認をしてみてください。
※テキストに書き込みなどしたい場合は、PDF印刷より冊子版を購入したほうが安くなりますので、購入することをおすすめしています。 詳しくは、スタディングのPDF印刷と冊子購入はどちらがお得かを検証を参考にしてください。
2~3年以上の場合は診断士ゼミナールがおすすめ
最初の支出額では「スタディング」が安くなりましたが、対して2~3年で合格を狙う場合は「診断士ゼミナール」がお得になります。
「診断士ゼミナール」には、
・合格祝い金が3年間有効
の2つの制度があるからです。
「3年間受講無料制度」は1年間で合格できなかった場合でも、3年目までは無料でカリキュラムを継続できるという制度です。
さらに、合格祝い金も3年間まで有効です。
「スタディング」にも低価格で延長できる制度はありますが、さすがに無料ではありません。
2~3年間という長期で挑戦するのであれば、「診断士ゼミナール」を購入する方がお得になります。
カリキュラムはどう違う!?
ここまでは価格の面で比較をしてきましたが、ここからは両教材のカリキュラム内容の違いについて解説していきます。
結論からいうとカリキュラムのクオリティには大きな差はありません。
ただ、サービスの内容に多少の違いがありますので、どちらが自分にあっているのか、合格に近づける教材はどちらなのか。
その判断の参考にしてみてくださいね。
動画教材の比較
通信講座で特に重要な教材が、動画教材です。
動画教材の優劣がその通信講座の優劣を決めると言っても過言ではありません。
スタディングと診断士ゼミナール、どちらにも講義動画教材があります。
ですので、どちらを選んでも移動時間などのスキマ時間で講義動画で学習をすすめることができるでしょう。
ただし、ふたつの動画教材では構成と役割に実は大きな違いがあります。
スタディングの動画教材⇒テキストの読み上げ
診断士ゼミナールの動画教材⇒テキストをもとにした講義
スタディングの動画教材は、テキストの読み上げです。
内容はテキストと全く一緒になります。
講師からの解説などは、基本的にはありません。
テキスト読み上げ形式のメリット・デメリットは以下のようなものがあります。
一方、診断士ゼミナールの動画教材は、テキストを踏まえた講義動画になります。
テキストの内容を講師が細かく解説してくれます。
講義動画形式のメリット・デメリットは以下のようなものがあります。
診断士ゼミナールの動画教材はあらかじめテキストを読んでおくことが前提で、スタディングはその必要はありません。
よって、一日の学習スケジュールにも違いが出てきます。
スタディングの動画教材を使った勉強法
動画教材(インプット)⇒問題集・過去問題集(アウトプット)⇒テキストで再確認(インプット)
診断士ゼミナールの動画教材を使った勉強法
テキスト読み(インプット)⇒動画教材で理解を深める(インプット)⇒問題集・過去問題集(アウトプット)
スタディングの場合は、まずは動画教材を視聴してインプットを始める形になります。
診断士ゼミナールはまずはテキストを読んで動画教材を視聴する形になります。
テキストの比較
スタディングのテキストは、論点ごとに非常に詳しい解説がなされています。
かつ、大手の市販教材よりもわかりやすい言葉が使われているのが印象的です。
これは、動画教材がテキストと同じ内容の読み上げであるため、耳から聞いても内容が理解できるよう最適化された結果だと思われます。
文字数は診断士ゼミナールよりも多いですが、つまずきにくいテキストなのが特徴です。
診断士ゼミナールのテキストは、非常に簡略化されており、キーワードごとに簡単な説明と図表が掲載されています。
一見すると、これだけで内容を理解するのは難しい気がします。
しかし、診断士ゼミナールの動画教材は講義形式ですので、この講義でテキストの理解を深めるような仕組みになっているのです。
つまり、テキスト+講義で完結するの診断士ゼミナールのテキストといえるでしょう。
テキストだけでもわかりやすいのがスタディング。
動画教材で補完して理解を深めるのが診断士ゼミナール。
というのが特徴です。
問題集・過去問題集の比較
スタディングの問題集・過去問題集の強み
モバイル対応されており、いつでもアウトプットできる
スタディングの問題集・過去問集はWEB上もしくはアプリ上で解答するタイプで、冊子はありません。
スタディングの問題集は動画講義の内容を復習・定着させる役割を担っており、動画講義を視聴した後に、その日の講義のテーマについての問題が約10問程度出題されます。
また、間違えた問題や気になる問題はチェックを入れてストックしておき、その問題だけを復習する機能があります。
過去問集は「過去問セレクト講座」と「一次試験年度別過去問題集」の2種類が用意されています。
「過去問セレクト講座」はその日の動画講義のテーマについての過去問が数問、出題されます。
いわゆるテーマ別タイプの過去問集です。
一方、「一次試験年度別過去問題集」も直近2年分が用意されています。
テーマ別の過去問題集には、年度別で解答した時に解説を参照しにくい、という欠点がありますが、このサービスは解答も年度別でついていますので、その欠点を補ってくれるでしょう。
総合的に見ると問題集・過去問集は非常に充実していると言えるでしょう。
診断士ゼミナールの問題集・過去問題集の強み
解法の解説動画で、理解度を上げやすい
診断士ゼミナールの問題集・過去問題集の弱み
モバイル対応していないためスキマ時間での解答はしにくい
診断士ゼミナールの問題集は冊子の問題集で、現時点ではモバイル対応はされていません。
冊子タイプの問題集で内容は、過去問17年分を分析し、頻出論点の強化を目指して作成されています。
診断士ゼミナールの問題集には、解法の解説動画があるのが強みです。
モバイル上で視聴することもできますので、家で問題集を解答⇒通勤時間などで解説動画を視聴、という流れで学習すると定着しやすいでしょう。
診断士ゼミナールの過去問題集は問題集と同様に冊子タイプであり、こちらは講義動画はありません。
この過去問集は年度別で、5年分の過去問集です。
ただし、テーマ別に過去問を解きたいという時には市販の教材を買い足す必要があります。
結局、どちらの通信講座がおすすめ?
以上を踏まえたうえで、私個人的なおすすめをご参考までにご紹介いたします。
私はスタディング「スタンダードコース」 をおすすめいたします。
自分が使用して合格した通信講座というのももちろんありますが、それ以外にもおススメする理由があります。
その理由は、スタディングはアプリが圧倒的に優れているからです。
スタディングアプリの凄いところ
・学習時間管理システムで振り返りができる
・「勉強仲間機能」でライバルの進捗を確認できる
おすすめの理由① ダウンロード機能
まず、スタディングアプリにはダウンロード機能が実装されています。
通信講座の最大の弱点は学習効率が通信環境の影響を受けてしまうことです。
以前はダウンロード機能がなく、通信環境の悪い場所では動画が停止してしまったり、学習効率が下がることがありました。
2019年から実装されたこの機能により、あらかじめ教材をダウンロードすれば満員電車内や地下、地方など電波環境が悪いところでも快適に学習を進めることができるようになりました。
通信講座の最大の弱点を克服しているという点で、スタディングアプリは大変優れていると言えるでしょう。
おすすめの理由② 学習レポート機能
また、スタディングアプリには学習時間を管理してくれる「学習レポート」という機能があります。
これは私の実際の「学習レポート」です。
このような形で、総学習時間やレッスン終了数など自分の学習履歴を細かく見ることができます。
学習を数か月続けると、自分の努力がどの程度なのか不安になり、合格できるのかと疑心暗鬼になる時期がやってくるでしょう。
そんな時に自分の努力のあとが見えれば、モチベーションを維持することができますし、努力をしてきた自分を信じることもできるのです。
また、合格までの学習時間を1000時間などと設定しておけば、自分の現在地を確認することもできます。
このような機能は「診断士ゼミナール」にはありませんので、これも「スタディング」をおすすめしたい理由のひとつです。
おすすめの理由③ 「勉強仲間機能」
通信講座のもうひとつの弱点、というよりも予備校通学の強みとして「勉強仲間ができる」というものが挙げられます。
同じ目標に向かって努力している受験生がまわりにいることで、切磋琢磨し、実力を向上させることができます。
また、客観的に自分の実力が受験生の中でどの程度なのかを常に知ることができるのも、大きなメリットです。
通信講座といっても独学ですので、私自身もまわりに中小企業診断士受験生がいないことが不安になることが多々ありました。
稀に喫茶店などで中小企業診断士のテキストなどを広げている人がいると、話しかけたくなる衝動にかられたほどです(笑)
現在のスタディングアプリには「勉強仲間機能」が実装されています。
このような形で他の受講生がどんな学習をどれほどしているのか知ることができます。
受講生の投稿に「いいね」やコメントを残すことができますので、お互いに励まし合って学習を進めることもできます。
また、自分がつい時間を無駄に過ごしてしまった時に他の受講生の学習状況を見ると自分を鼓舞することができるでしょう。
私が受講していたころにはなかった機能ですが、この勉強仲間機能があれば挫折する可能性も抑えられそうです。
このように、スタディングのアプリは通信講座の弱点をうまく克服するサービスが多数備えられています。
以上のような理由から、私はスタディングアプリが使える「スタンダードコース」をおすすめいたします。
スタディングアプリは無料体験ができる?
この「無料体験登録」をすると、上記で紹介した「スタディングアプリ」もスマートフォンにダウンロードすることができるようになります。
「ダウンロード機能」や「学習レポート機能」、「勉強仲間機能」などのサービスもすべて使ってみることができます。
スタディングvs診断士ゼミナール まとめ
元通信講座受講生の立場から、両方の教材を比較してみました。
最初に申し上げた通り、中小企業診断士試験は1年に1度しかないため、出来るだけ早く学習を開始することが何より重要です。
ある程度、教材を調べ終わったら早速、教材に取り掛かってみてください。
試験勉強もビジネスも、決断できることが最も大事なスキルですよ!
みなさんの努力が実を結ぶことを祈っています!