私が中小企業診断士の受験生だったころのお話。

中小企業診断士の試験会場には、沢山の60代の方々がいました。

その方たちを見て、失礼ながら老後の嗜み程度の意識で受験しているのだと思っていました。

しかし、その方たちの書き込みがビッシリテキストを覗き見た時、私の認識は一気に変わりました。

自分があの年になっても、学び続けていられるのかと考えると、本当に眩しく見えたのをよく覚えています。

さて、仕事をリタイヤした後に中小企業診断士を受けるのには大きなメリットがあります。

今日は定年を迎えて次の人生を考えている方に、若輩者の私が中小企業診断士を受験するメリットをお話しして行きたいと思います。

中小企業診断士の受験を考えている方のお役に立てたら幸いです。

中小企業診断士試験 60代~70代の合格率は

まず、定年後の中小企業診断士試験受験の現状を把握するために、定年後の受験生について受験者数や合格率を見ていきましょう。
※ここでは、定年後の方を60代以降と定義しています。

1次試験の受験者数・合格率

まずは定年後受験者数について、平成26年から直近の令和2年度試験までの1次試験7年分のデータをみていきましょう。

中小企業診断士試験を実施している中小企業診断協会が公開している、公式の【統計資料】から、60歳代と70歳代の受験者数の推移を抽出してみます。

◆ 中小企業診断士1次試験 60代以上の合格率

例年、60代は毎年1000人前後、70代以上は100名以上が受験しています。

2万人を超える1次試験受験者数の全体から見ると、60代以降の受験者数は多いとはいえませんが、右肩上がりに増加しています。

健康寿命が延び、定年後もまだまだ働き続ける方が増えたことにより、中小企業診断士を第二の人生として志す方が増えているのだとも思います。

では、合格率の方はどうでしょうか。

◆ 中小企業診断士1次試験 60代以上の合格率

70代の方の合格率が少し低めではありますが、全体平均より合格率が極めて低いということはありません。

むしろ、現役バリバリの30代および40代が多数を占めるこの試験において、互角に渡り合っている印象です。

平成28年度の合格率が極めて低くなっておりますが、この年は全体の合格率も12.4%と、非常に合格率が低い年でした。

7科目という大変広い試験範囲が特徴でインプット勝負の1次試験で、定年後の方がこれだけの合格率であることには正直、驚きました。

2次試験の受験者・合格率

では次に2次試験の受験者数を見ていきましょう。

2次試験は1次試験合格者のみが受験できる試験ですから、1次試験の合格者が増えるにつれて2次試験の受験者数も右肩上がりに上昇しています。

前回試験では、500名近い方が受験していました。

では、2次試験の合格率はどうでしょうか。

2次試験の合格率を見てみると、非常に厳しい結果となりました。

70代以降の合格率は平成30年までの5年間は0人ですが、令和元年以降、改善されています。

合格者数で言えば、令和元年 2人、令和2年 2人という状況です。

一方で、60代は毎年コンスタントに合格者が出ていますが、令和元年と令和2年は70代以降の方よりも合格率は低くなっています。

合格者数は令和元年は28人、令和2年は13人でした。

中小企業診断士試験 定年後(60代以上)の受験者数・合格率 まとめ

ここまで見てきたように、中小企業診断士試験においては60代以上の方の受験者数、合格率ともにあまり高くないということがわかりました。

ただし、近年は受験者数も合格者数も右肩上がりです。

合格するための鬼門はやはり、2次試験にあるといえます。(これは全年代で共通ですが…)

2次試験は独学だけでは合格は難しいのが実情です。

合格を勝ち取るためには1次試験は独学や通信講座で合格した方も、2次試験については2次試験専門の予備校や通信学習を利用するとよいでしょう。

定年後に中小企業診断士試験を受験するメリット

では、定年後に中小企業診断士を受験するメリットを挙げてみましょう。

メリット1:自分の経験を世の中に還元できる

定年後の方々は、これまでの社会人経験で圧倒的な知識とノウハウを蓄積していることでしょう。

しかし、定年すればそれらの知識と経験は水の泡と化して、活かす機会を失ってしまう。

それはあなた自身だけではなく、日本全体の大きな損失であります。

あなたのような知識・経験豊富な方からのアドバイスを求めている中小企業経営者は大勢います。

中小企業診断士の資格を取得し、商工会議所に登録されれば、そんな困っている経営者へ助言をする機会を得られます。

日本の90%以上の企業は中小企業であり、経済の根幹をなしています。

もう一度、日本経済にあなたの知識・経験を活かしてみませんか?

 

メリット2:再雇用に有利になる

私の義父は長年勤めてきた第3セクター企業で一昨年、定年を迎えました。

半官半民ではありますが一流の企業ですので、義父はそれなりにプライドも高く持っていました。

しかし、定年一年後に再就職先を探そうとすると、あるのはシルバー人材で紹介される自転車整理の仕事などばかり。。。

義父はどうしても紹介される仕事に納得できず、家で力を持て余しています。

定年後の人生は20年以上ありますので、やりがいのある仕事に就きたいと考えるのは当然です。

しかし、なかなかそのような機会はめぐってきません。

中小企業診断士は難関資格であり、国家資格です。

企業内中小企業診断士を求めている企業はたくさんあり、私も合格してからは転職市場での価値が大きく上がりました。

あなたが定年後の再雇用を有利に進めようと考えるならば、中小企業診断士資格は大きな武器になるでしょう。

メリット3:脳の若さを保てる

中小企業診断士の試験科目は一次試験:7科目、二次試験:4事例で構成されています。

一次試験の試験範囲はビジネス理論からマーケティング、経済学、財務会計、システム、法務など多岐にわたります。

日々、新しい知識を学ぶことでこれまでにない新鮮な視点を得ることができます。

毎日、新しい発見をすることはなかなか出来る経験ではありません。

二次試験の事例は、問題のある企業の事例文を読み、その企業の問題点を明確にして的確にアドバイスをする問題です。

1事例80分間、脳みそをフル回転しますので老いぼれているヒマなどありません。

ここまで試験範囲が多岐にわたる試験は他にはありません。

本を読むのが好きな方や、常に新しい学びを得ていたいという方には中小企業診断士試験は最適な試験と言えるでしょう。

 

メリット4:投資できる時間・費用面で有利に立てる

中小企業診断士試験を受験する方のボリュームゾーンは30~40代の男性です。

まさに仕事盛りのビジネスパーソンが受験する試験と言えるでしょう。

私自身の経験から申しますと、これらの年代の方は多くのハンディを抱えて試験勉強をしています。

仕事の責任が重くなる世代なので、勤務時間も不規則で、勉強時間をうまくとれない方が多くいます。

また、子育て世代でもあるので金銭的な余裕もなく、予備校や通信講座も利用しない方も多いです。

若さゆえのバイタリティーでなんとか頑張って合格している方がほとんどでしょう。

対して、もしあなたが定年後であれば時間と費用を資格取得に割り振ることはたやすいでしょう。

もし、通学できる範囲に予備校があれば入学するのも良いでしょうし、最近は通信講座も充実しています。

中小企業診断士の学習は広範囲にわたるため、じっくり腰を据えて学習することが重要です。

その点では、定年後は中小企業診断士合格に有利な条件が整っていると言えるかもしれません。

 

メリット5:新しい出会いが生まれる

よく「中小企業診断士試験に合格してよかったことは?」と聞かれますが、答えは「新しい出会いが生まれたこと」です。

中小企業診断士試験を突破すると実務研修があり、数人の班で中小企業を訪ねてコンサル実務を経験します。

そこで出会う、他の中小企業診断士仲間との出会いは非常に大きな刺激となります。

なにか目的をもって難関を突破してきた方と話すのは、本当に勉強になることが多いです。

定年後は人間関係がある程度、固定されてしまい窮屈に感じてしまうそうです。

毎日、同じ人と顔を合わせていると刺激もなく、意固地になっていくこともあるでしょう。

外の人としっかりと交流することは、ひいては自分の家庭を大切にすることにつながります。

新鮮な出会いを求めて、中小企業診断士を受験することは大変素晴らしいことだと思います。

定年後に中小企業診断士を目指すなら

定年後に中小企業診断士を目指すなら、のんびり2年間をかけて取得するのはいかがでしょうか。

あまり詰め込みすぎず、無理のないペースで目指してみるのはいかがでしょうか。

2年計画については下記の記事を参考にしてみて下さい。

定年後に中小企業診断士を目指すメリット まとめ

以上、若輩者ではありますが、定年後に中小企業診断士を目指す方のメリットを述べてみました。

知り合いの60代診断士にも意見をうかがっていますので、それほど的外れではないかと思っています。

一生、学び続ける方は本当にかっこいいです。

みなさまの挑戦を後押しできれば幸いです。

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