難関資格と位置付けられる税理士と中小企業診断士。
どちらも大変難関資格ですが、取得して実現できること、試験方法や受験にかかるコストはかなり違っています。
この記事では
①あなたの希望を満たす資格はどちらなのか
②あなたはどちらの試験に合格しやすいのかを判断するための判断基準
の情報を提供いたします。
中小企業診断士と税理士試験の特徴をまとめて検証していますので、自分に合った資格はどちらかなのかを判断してみてください。
Contents
中小企業診断士と税理士の取得難易度比較
中小企業診断士 | 税理士 | |
中小企業診断協会 | 管轄 | 国税庁 |
国家資格 | 種類 | 国家資格 |
なし | 受験資格 | ㈠学識による受験資格 ㈡資格による受験資格 ㈢職歴による受験資格 |
1回/年 一次試験:8月、二次試験:10月 |
試験日程 | 1回/年 8月 |
2万人前後 | 受験人数 | 4万人前後 |
1000人前後 | 合格者人数 | 6~7000人 官報合格1000人未満 科目合格5000人未満 |
一次試験 各科目10~20% 二次試験 20%前後 最終合格率 4~5% |
合格率 | 各科目 15%前後 |
一次:7科目、二次:4事例 | 試験科目 |
5科目 |
受験人数は税理士が多いですが、合格数はどちらも同じくらいです。
基本的に税理士資格は一年で合格する方はいないと言われています。
試験の難易度は「税理士」試験の方が1ランク上と言えます。
合格率の比較
各科目の合格率だけを比較すると、「中小企業診断士」が15%ほど、「税理士」も15%ほどになります。『科目合格率』と聞くと、中小企業診断士も一次試験の科目合格率が15~20%くらいですので同程度の難易度という印象を受けます。
しかし、税理士試験を受験する方は1回の試験で1科目~2科目の合格を目指しています。
1科目~2科目の合格のために一年間の学習時間を費やすのです。
つまり、税理士試験は1~2科目に絞ってかなり濃厚な対策をしてきた受験生が受験して、15%ほどの合格率です。
7科目+二次試験4科目の広い範囲の対策をしたうえでの科目合格率が15%ほどの中小企業診断士試験と比較すると、税理士試験の方が科目ごとの難易度も高いと言えるでしょう。
資格取得費用を抑えたい
◆関連データ:各予備校費用例
中小企業診断士 | 比較 | 税理士 |
通学:275,000円 通信なし |
TAC | 2年本科生:732,000円 3年本科生:761,000円 |
通学:242,400円 通信:177,100円 |
大原 | 簿・財:各 78,500円 所得・法人・相続:各 78,500円 消費:50,000円、他科目:各 37,300円 |
通信:44,980~74,980円 通学なし |
スタディング | 簿財2科目合格コース:59,980円 酒税法・相続税法・国税徴収法 各コース:49,980円ずつ |
※各資格専門学校の費用は一例です。開始時期やコースによって前後します。
費用を抑えて資格を取るなら「中小企業診断士」の圧勝です。
中小企業診断士の教材費は、通信で5万円~20万円、通学だと30万円(入学料込みで)前後で受講することが出来ます。試験の受験料は一次試験、二次試験あわせて3万円程度です。
実際に受験したイメージとして、30万円ほど見積もれば取得できるでしょう。
対して、「税理士」はTACパックコースだと70万円以上です。
ただ、実際は1~2科目ずつ受験することが多いので、一科目3万円~7万円のコースを選んで受講していくことになるでしょう。
また、受験年数も複数年にその分の時間的なコストもかかるでしょう。
試験の受験料は1科目4,000円から5科目10,000円ほどです。
税理士試験は受験していないので実感を持ってお伝え出来ませんが、一般的には100万円ほどかかると言われているそうです。
中小企業診断士合格者の私がおすすめしている通信講座『スタディング』ならば、中小企業診断士でも税理士でも業界で最安値です。
できるだけ、コストを抑えたい方は検討してみるとよいでしょう。
より稼げる資格を取得したい
◆関連データ
中小企業診断士 | 資格名 | 税理士 |
500~700万円 | 平均年収 | 700万円 |
~1000万円 | 最高年収 | ~3000万円 |
30~40代 | 平均年齢 | 68歳前後 |
「稼げる」資格を取得したいのなら、『税理士』の勝利でしょう。
統計によると、勤務税理士の平均年収は大体700万円前後と言われています。
中小企業診断士の平均年収は500万円~700万円前後。
どちらの資格の年収も似たり寄ったりに見えます。
せっかく難関資格を取得するのなら、年収1000万円はもらえないと割に合わない!と思われる方も多いでしょう。
気をつけるべきは、これらのデータは企業や事務所勤務の方の平均になります。
どちらの士業も、独立開業して成功すれば年収はグンと増えます。
開業した場合の年収は、税理士の方が高いと言われています。
中小企業診断士との差は、独占業務があるという強みによるでしょう。
また、中小企業診断士の平均年収は、中小企業診断士としての年収をあらわしていないことも注意すべきでしょう。
中小企業診断士の資格を持っている人は、ほとんどが企業に雇用される企業内診断士として給与を得ています。
中小企業診断士の資格を取得して収入が増えるのは、資格取得のインセンティブを企業から得て給与が上昇するという形が主でしょう。
つまり、今現在、無職の方がいきなり中小企業診断士として700万円を稼ぐことは難しいと言えます。
やはり、資格単体で稼ぐならば「税理士」に大きく分があると言えるでしょう。
税理士の平均年齢が高いのは国税・税務署OBが退官後に税理士登録するためです。
短期間でとれる資格がいい
中小企業診断士 | 資格名 | 税理士 |
2~3年 | 平均的取得期間 | 5年以内に取得:25% 10年以内に取得:60% |
難しいが可能 | 1年以内合格 | ほぼ不可能 |
1000時間~ | 平均的勉強時間 | 4000~5000時間 |
中小企業診断士と税理士、どちらも難易度が高い資格ですが、短期間で取得できる資格を選ぶならば「中小企業診断士」です。
中小企業診断士は難しいですが、一年合格は可能です。私も実際に一年で合格しています。
一方で、税理士試験は一年合格はほとんど不可能と言われています。
一年合格は数年に1人いるかどうかで、二年間で合格するのも奇跡的であるようです。
税理士試験は、15%程度の合格率の試験を1年に1~2科目ずつ合格していくプランが一般的のようです。
資格取得には5科目の合格が必要ですので、どれだけ順調に合格していっても3年はかかることになります。
仕事の都合などで長期間の学習は難しい方や、短期集中で資格を取ってしまいたい方は「中小企業診断士」の取得を目指すべきでしょう。
将来的に独立できる資格を探している
社内での地位を高めたい
会社を辞めずに、資格のメリットを活かしたいのならば「中小企業診断士」がおすすめです。
資格の特性として、学習領域が広いこともあり社内のどのような部署にいっても活躍することができます。
一般企業の社内診断士として、マーケティング部などに配置されていることが多いとのことです。私も現在、このポジションを狙っています。
対して、「税理士」は社会的地位も高く、資格を取得したこと自体は社内で評価されるでしょうが、活躍するフィールド自体は広いとは言えません。
経理や会計を行う部署くらいで、かつ、人数も限られていますので、資格を活かして活躍するのは難しいと言えるでしょう。
まとめ
中小企業診断士も税理士もどちらも難関資格ですが、それぞれ特徴があります。
あなたの実現したいキャリアプランやニーズに応じて、目指すべき資格を選んでみてくださいね。