中小企業診断士試験難易度

中小企業診断士教材

2019年度の試験に向けて、準備をするうえで過去の中小企業診断士試験を分析することは大変有意義だと言えます。

特に、前年の2018年度試験の難易度はどうだったのかは、次回の傾向を予測するうえでこの上ない判断材料ですよね。

今回は実際に受験した私の感想も踏まえたうえで、中小企業診断士試験2018年度の難易度を分析し、次回(2019年度)の傾向を探ってみたいと思います。

※2019年度の試験の分析と令和2年度試験の予想はこちらです。

2018年度 一次試験の難易度推移

2018年度 一次試験は前年度よりも受験者数が600人弱減り、合格者数が130人増えました。

これにより合格率は、23.5%で前年度よりも1.8%上昇し、数字だけ見ると易化した形になります。

しかし、2018年度は経営法務が超難問になり、平均点が惨憺たる状況になった結果、異例の8点加点がされています。

この措置により救われた受験生が、この1.8%の上昇分程度はいたと思われますので、実際の難易度としては例年どおりと言って良いでしょう。

2018年度 一次試験 科目ごとの難易度

それでは、2018年の一次試験の科目ごとの難易度を見てみましょう。

まず、近年5年間の科目合格率の推移は下記のようになっています。

この合格率の推移を踏まえて、2018年度の科目ごとの難易度を見ていきましょう。

2018年度試験は私も受験した年ですので、私の受けた感想も書いてみます。

2018年度 難化した科目

1.財務会計・・・合格率 7.28%(前年比 ー18.37%)

『財務会計』は前年度の25.7%から一気に20%近く合格率が低下しました。実際に受験した人間としては、『間違いなく落ちた』と諦めを感じたくらいの問題でした。こういう場合は、まず解ける問題だけ解き、あとはとにかくがくむしゃらに計算をしてみて近い解答を選んで店名を待つしかありません。
実際には48点をとり足切りを免れましたが、これは運だと思っています(笑)

2.経営法務・・・合格率 5.15%(前年比 ー3.21%)

『経営法務』は前年からの合格率の低下は少ないものの、過去5年間で二番目の低合格率でありました。しかも、8点加点の措置をとってこの合格率なので、単純な難易度としては過去5年間で最も難しかった問題だと言えるでしょう。
経営法務は、大変難解な言葉を使ってきて混乱しますが、実際の問うていることは単純な論点なことも多いです。
私も脳汁を垂れ流して粘った結果、加点なしで60点を取ることができました。この科目はとにかく問題集・過去問を解いて独特の言い回しになれることが大切だと思っています。

2018年度 易化した科目

1.運営管理・・・合格率 25.85%(前年比 +22.7%)

2018年度の『運営管理』は5年間で最低の合格率3.1%をたたき出した前年度から大きく合格率を上げました。一次試験では前年が異常な低合格率だった科目は、反動で合格率が跳ね上がる傾向にあります。(『経営法務』は除く)
2018年の『運営管理』はまさにこの反動で易化したと言えるでしょう。
問題は非常に基本的な論点を基本的に問うて来ていたため、解きやすかった印象があります。近年の過去問と比べてあまりに解きやすかったため、逆にひっかけを疑い、得点が伸びないことも覚悟していましたが、70点をとることができました。
このようなこともありますので、試験にあたっては問題に素直に向き合って、素直に回答することが大切だと思います。

2.中小企業経営/政策・・・合格率 22.98%(前年比 +12.0%)

『中小企業経営/政策』も前年比12%上昇し、易化したと言えるでしょう。
2015~17年の三年間は合格率が10%強と比較的低い合格率だったため、今年はこの科目に救われた方も多かったのではないかと思います。
この科目は、毎年発行される『中小企業白書』の統計データなどから出題されるため、毎年決まった対策を取りにくいという難しさがあります。中小企業の現状についての細かな数字や傾向が問われるので、私は非常に苦手意識がありました。なんだか実力が上がっている実感が持てなかったからです。結果は65点で合格できましたが、今でも傾向も対策もよくわかりません(笑)

平年並みだった科目

1.企業経営理論・・・7.11%(前年比 -1.90%)

企業経営理論は2017年度に前年度から20%以上合格率を下げて難化していましたが、2018年度も引き続き低合格率に落ち着きました。5年間で合格率20%を超えた年が1回しかなく、難易度の高い科目となっています。
私はビジネス書を読むことがもともと好きだったこともあり、比較的この科目を得意としていました。が、結果は57点で科目不合格。採点をしていて手が震えたのを覚えています。
このように中小企業診断士試験は、『去年が一気に難化したから今年は比較的簡単だろう』なんていう予想が裏切られる点も、難関資格たる所以かもしれません。

2.経済学・経済政策・・・26.38%(前年比 +2.98%)

『経済学・経済政策』は引き続き高い合格率を維持し、「得点を稼ぐ科目」としての役割を果たしてくれました。私も68点 をとることができ、『財務会計』の点数の落ち込みを(一部)カバーできました。
この科目を得点源としている受験生は多いと思いますが、『経済学・経済政策』の合格率が著しく低下して「ハズレ科目」になる年がいずれは来ると思います。ですので、この科目の高得点を想定して他の科目を「足切りにならなければいいや」程度で進めていると痛い目にあうことも考えられます。最短合格のためには苦手科目を作らないことも重要と言えます。

3.経営情報システム・・・22.86%(前年比 ー3.71%)

『経営情報システム』も前年並みの合格率を維持しました。以前は難関科目の一つでしたがここ2年間は20%を超える合格率で推移しています。私も得意意識はありませんでしたが、64点を取ることができました。基本的な論点が多く、良い問題だったと思います。
この科目はSE出身の方が非常に有利になりやすく、そのため中小企業診断士がSE出身ばかりになるのを防ぐために数年に一度、大きく難化させるという都市伝説があります。
やはりこの科目も今後油断できない科目だと思います。

中小企業診断士 一次試験科目別難易度ランキング

以上を含む、中小企業診断士一次試験の難易度ランキングを作成してみました。
下記の記事にまとめましたので興味のある方は読んでみてください。

中小企業診断士一次試験科目別難易度ランキングを公開!!独自データで合格難易度を検証。

2018年度 二次試験の難易度

2018年度 二次試験では受験者数は約600人ほど前年度よりも、増えています。

合格者数は、前年度よりも77人増加していますが、合格率自体は18.8%と前年度と比べて0.6%低下しました。

この合格率の低下は、経営法務の救済措置をとった結果、一次試験の合格者数が想定より増えてしまったためと考えられます。

中小企業診断士協会とすれば、よほどの社会環境の変化がない限りは中小企業診断士になる人数を毎年一定に維持したいはずです。

社会のニーズが一定なのに多くの中小企業診断士試験合格者を出してしまえば、資格の価値が落ちてしまい、逆に少なければ中小企業診断士が不足してしまうからです。

そこで、一次試験合格者が多く出た場合には、二次試験の合格率を下げて人数を例年並みに抑えるのです。

2019年度の傾向はどうなる?

では、ここまでの情報から、次回2019年度の中小企業診断士試験の難易度の変化を推理していきましょう。

まず背景として、押さえておくべきことは今年の試験が

①今年の一次試験の合格者は例年より多かった
②二次試験の合格率は下がった
という状況であったことです。

ここから導き出せる2019年度の状況は、
③一次試験合格資格を持ち、二次試験のみ受験する人数が例年より多い
ということです。

上記の通り、中小企業診断士協会は、試験の合格者数をできるだけ一定にしたいと考えています。

つまり、③の背景を踏まえると、どこかの段階で合格者数を絞る必要が出てきます。

ゆえに、下記の2019年度の予測される状況は下記の2パターンが考えられます。

2019年度難易度予想:パターン1

一次試験の難易度上昇

まず考えられるのは、一次試験の難易度上昇です。
一次試験の難易度を上げて、合格者を減らして二次試験の受験者を例年並みに調整することが考えられます。

この場合、難易度調整にとしては、2018年度に難易度が下がった『運営管理』や『中小企業経営/政策』を難化させる可能性があります。
また、2018年度に得点調整までされた『経営法務』は難易度が下げられて合格率を少し上昇させる可能性は考えられるでしょう。

とはいえ、予想を裏切ってくるのが中小企業診断士試験なので、どの科目も十分な対策を講じることが重要なのは変わらないでしょう。

2019年度難易度予想:パターン2

二次試験の難易度上昇

次に考えられるのは、一次試験の難易度は例年並みにしておいて、二次試験の合格率を例年よりさらに絞るケースでしょう。

これによって、最終的な合格者数は維持される形になります。

二次試験は一般的に相対評価とされていますので、一次試験と比較して対策が取りにくいのが現状です。

2019年度に一次試験からの合格を狙っている方は、やはり二次試験対策を強化するよりも一次試験に確実に合格することを目指したほうがよいでしょう。

これから中小企業診断士試験の受験を検討される方へ

今の時期から学習を開始する方は、二年計画での合格を検討したほうが良いかもしれません。

中小企業診断士試験の二年計画での合格戦略をまとめましたので、こちらの記事も是非ご覧ください。

まとめ

 中小企業診断士試験の全体の難易度の推移から次回試験の傾向をまとめてみました。

中小企業診断士試験は試験科目ごとのマネジメントをして全体として合格点に達することが非常に大切です。

中小企業診断士試験の科目別難易度ランキングも作成していますので、こちらもご参考ください。

今回の記事がみなさんのお役に立てれば幸いです。

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