【中小企業診断士】令和元年度(2019年)の難易度を徹底分析!令和2年度を予想します!

12月6日に二次試験の合格者が発表され、今年も中小企業診断士試験が終わりました。

今年は一次試験の合格率が高かった影響で、1000人を超える中小企業診断士が誕生しました。

近年まれに見る当たり年だったとも言えます。

では来年、2020年度(令和2年度)中小企業診断士試験の難易度はどのようになるのでしょうか。

今年の試験の状況を徹底的に分析して、来年度試験の考察をしていきたいと思います。

これから学習を始める人も、もうすでに学習をしている人にも参考になる内容だと思います。

是非、最後まで読んでみてください。

2019年度(令和元年度) 一次試験の合格率

2020年度の難易度を知るためには、今回の試験の分析が重要です。

まずは、一次試験全体の合格率を見てみましょう。

今年度の中小企業診断士一次試験は、受験者・合格率・合格者数すべてにおいて近年で最も高い結果となりました。

合格者数ははじめて4,000人を超え、合格率も30%を超えました。

これまで最も高かった合格率は平成27年度の26%でしたが、大きく上回りました。

かなりセンセーショナルな結果と言えるでしょう。

一次試験科目合格率

では、科目別の合格率を見ていきましょう。

以下は直近5年間の科目ごとの合格率の推移です。

これを踏まえて、今年の難易度がどうであったかを科目ごとに見ていきましょう。

2019年度に難化した科目

中小企業経営・政策 22.98% ⇒ 5.59%

やはりきました『中小企業経営・政策』の難化!

昨年の極端な易化から、今年の難化は十分予測できました。

Twitter上で得点を開示している方もほとんどの方が科目不合格になっていました。

この方はめちゃくちゃ高得点で合格していますが、『中小企業経営・政策』だけ落としてしまっています。

昨年の経営法務並みの大外れ科目になったようです。

 

2019年度 平年並みだった科目

経済学経済政策  26.39% ⇒ 25.80%

経済学・経済政策はほぼ例年通りの合格率でした。

この科目は、近年は高合格率科目となっており、得点源としている受験生も多いでしょう。

最近の受験生は知らないと思いますが、一昔前は難関科目でした。

いつ冬の時代が来るかと筆者は注目しています。

こんな方もいたようです。

 

経営情報システム 22.86% ⇒ 26.63%

学習している時の苦手意識と実際の試験の合格率の乖離が激しいという点で中小企業診断士試験の名物科目である経営情報システム。(個人的見解)

経営情報システムも微妙にさらに易化し、合格率が25%を超えました。

最近三年間は合格率が20%を超えており、合格しやすい科目となっています。

この科目の合格率が低いころはSE出身者ばかり合格するようになったため、この科目であまり足切りを出さないようにした、という噂があります。

中小企業もIT化必須の時代。

システムに強い診断士は非常にニーズがあります。

自分の強みを活かせるのも中小企業診断士の魅力の一つと言えるでしょう。

 

運営管理     25.85% ⇒ 22.83%

平成29年に驚異の合格率3%で受験者を葬り去った『運営管理』。

その反省?からかこの2年間は易化が続いています。

今年の問題は、解きやすい問題が確かに多かったようでした。

実際に解答してみると、財務会計知識が要求される問題があったりと、出題者が工夫してきている印象を受けました。

特定の科目に苦手意識があると他の科目にも悪影響がある時代になってきているかもしれません。

 

企業経営理論     7.11% ⇒ 10.81%

ここ数年、難易度が高い『企業経営理論』はやや易化したものの合格率は低いままでした。

THE 中小企業診断士という科目ですが、すっかり難度の高い科目として定着してしまった様子です。

私も受けてみましたが、組織論や労働法が例年と違う切り口で戸惑いました。

やはり、どんな切り口から出題されても対応できるだけの準備はしておきたいですね。

(私は受験時、この科目が不合格でしたので偉そうなことは言えません・・・)

 

2019年度に易化した科目

財務会計   7.39% ⇒ 16.39%

前回、私が不合格(48点)だった科目である『財務会計』ですが、今回は10%近く合格率が上昇しました。

得意・不得意が大きく分かれるこの科目ですが、易化したことで足切りにあう受験者が大幅に減ったと思われます。

今回は全体の合格率が例年と比較して多かったことは、この科目の易化が大きいと思っています。

 

こちらの方のように、財務会計を苦手にしていた方に恩寵があったようです。

私も解いてみましたが、シンプルな問題が多かったようですね。(またもや48点でした笑)

 

経営法務   5.15% ⇒ 10.85%

今回の試験で大きなポイントの一つが、経営法務の易化です。

昨年度は、前代未聞の8点調整があっても合格率が5.15%という恐ろしい状況でした。
(私は調整後68点でした(自慢))

そのため、今年は経営法務だけ科目合格残しの多年度生が多かったはず。

経営法務の易化により、科目合格が沢山出たことで一次試験合格者が多数輩出されたとみます。

 

この方の願いが通じたのかもしれませんね(笑)

 

2019年度(令和元年度) 二次試験の合格率

今年の中小企業診断士二次試験の結果、5952人の受験者の中で、1091人が新たに中小企業診断士になりました。

合格率は18.3%。

平成30年は906人で18.8%。

平成29年度は828人、19.4%。

合格者数は増えていますが、合格率は低下しています。

一次試験の合格者が過去最高であったため、二次試験でも高い合格率を期待していた受験生も多いことと思います。

受験者数も増えていますが、狭き門は大きく開放しない、という方向性がはっきりとしました。

2020年度(令和2年度)の中小企業診断士一次試験の難易度予想

では、次回2020年度(令和2年度)の難易度予想と対策を検証していきましょう。

まずは、平成21年から平成30年までの合格率の推移を見ていきましょう。

平成22年度から徐々に合格率は上昇し、平成27年度に26.0%で一旦ピークを迎えています。

その翌年、平成28年度は17.7%に急落しています。

そして、その後は合格率が上昇していき今年、平成31年度は30.2%でピークを迎えました。

これを見ると、来年度の動きはもしかして・・・・という予想ができます。

下の図をご覧ください。

これは、中小企業診断士二次試験の申込者数と合格者数の推移を追ったものです。
※あえて『受験者数』ではなく、受験資格を得た人数に近い『申し込み者数』でカウントしています。
 全科目無事に受験できた人数である『受験者数』と違って、『申し込み者数』は中小企業診断協会の意図に近いからです。

このデータから推測すると、中小企業診断士試験の実施機関である中小企業診断協会は、毎年1000名までの中小企業診断士を誕生させたいと考えているはずです。

そこから逆算して、合格率20%付近にするために大体5000人前後の二次試験受験者数にしているのです。

今年の中小企業診断士試験は、一次試験の合格者が例年より1000人以上多く、二次試験の合格者が例年よりも200人弱しか増えていません。

単純計算すると、来年令和2年度の二次試験受験資格者が例年より998人多く残るということです。

上述の通り、中小企業診断協会は二次試験受験者数を5000人ほどにコントロールしたいはずですので、令和2年度の一次試験合格者は1000人程度減らしたいはずです。

受験者数を14000人で計算した場合、合格者数を2500人程度にするとちょうど5000人くらいの二次試験申し込み者数になります。

そうすると令和2年度中小企業診断士一次試験の合格率は17.85%ほどになる計算です。

なんと、同じように合格率が急落した平成28年度試験の合格率17.7%とかなり近い数値になるのです。

来年、令和2年度中小企業診断士一次試験はかなり難易度が高い試験となることが予測できます。

2020年度(令和2年度)の中小企業診断士二次試験の難易度予想

2020年度の二次試験の難易度は、一次試験がかなり厳しい試験となり受験者数が少なくなる分、【今年よりは】下がることが予想されます。

例年並みの難易度になると思われますが、そもそもが難しい試験なのでしっかりと対策することが重要です。

しかも、来年度は一次試験の予定が例年よりも1ヶ月早まります。(7月中旬実施)

よって、一次試験合格者の二次試験対策の期間が1ヶ月長くなります。

来年の一次試験合格者にとっては、二次試験への準備期間があるので実力をつけられます。

一方、今年の二次試験不合格者にとっては例年よりも実力のある一次試験合格者との競争になるので苦戦が予想されます。

どちらにせよ、二次試験への対策はしっかりとすべきである、ということです。

2020年度(令和2年度)中小企業診断士試験の合格戦略

ここまで、令和元年度の中小企業診断士試験の分析から令和2年度の難易度を予測してきました。

その結論としては、

令和2年度の中小企業診断士試験難易度予想
一次試験の難易度は高く、17%台まで急落する可能性あり
二次試験の難易度は変わらないが、合格率は今年よりは上がる

というものでした。

そして、もうひとつ来年の中小企業診断士試験における大きな要素があります。

それは、

オリンピック開催により、一次試験開催日が1ヶ月前倒しになる

ということです。

例年8月上旬に行われている試験が7月中旬になることで、2~3週間分の勉強時間が吹っ飛びます。

これらの要素から導かれる2020年度(令和2年度)中小企業診断士試験の対策は、

一次試験対策に徹底的に集中する

ことです。

その理由は、

一次試験までの期間が例年より一か月早い

一次試験の難易度も高い(可能性が高い)

ため、例年以上の一次試験の対応をしないと合格できない。

また、

二次試験が例年よりも一ヶ月長い

二次試験の合格率が昨年よりも高くなる(可能性が高い)

ため、二次試験までたどり着ければ合格に手が届く可能性が高いためです。

思い切って、二次試験対策は一切せずに一次試験に臨むくらいでよいでしょう。

実際に私も二次試験対策は8月のお盆後から開始し、それまでは一切対策しませんでした。

とにかく、死に物狂いで一次試験対策をしなければ来年の合格は難しいと言えるでしょう。

まとめ~2020年度(令和2年度)中小企業診断士の難易度~

中小企業診断士試験は、科目ごとの合格率のバラつきあったりして対策が難しい面もあります。

ですが、しっかりと腰を据えて学習していけば必ず合格できる試験だと考えています。

まずは一次試験までにできるだけ1000時間に近づくだけの勉強時間を確保してください。

最初から勉強の質を追求する必要はありません。

1分でも2分でも空いた時間はすべて学習時間にしていけば、必ず勉強の質は高まります。

みなさんの努力が、身を結ぶことを祈っています。

今回の分析を踏まえて、2020年度(令和2)中小企業診断士試験対策の学習スケジュールを下記の記事にまとめました。

是非、読んでいただいて一次試験までのイメージを描いてみてくださいね。

それでは、また!

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