中小企業診断士試験は難関の国家資格です。
一次試験、二次試験を突破できる最終合格率は4%ほど。
長期間挑戦してもなかなか合格できない方も多いのがこの試験です。
そのため、複数年かけて計画的に合格を勝ち取ろうとする方も珍しくありません。
今回は、そんな長期合格計画のひとつである「3年計画」について検証していきたいと思います。
中小企業診断士試験3年合格計画の戦略から、具体的な教材まで解説していきますので、是非、参考にしてみてくださいね。
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Contents
中小企業診断士 3年合格の戦略とは
3年計画で合格を目指す場合は、中小企業診断士特有の「科目合格制度」を活用します。
科目合格とは1次試験全体としては不合格なものの、60%以上取れた科目については翌々年まで免除する制度
中小企業診断士一次試験には「科目合格制度」があり、60%以上得点できた試験は申請することで翌年、翌々年は合格扱いとなり、試験免除となります。
この制度を活用して、1年に2~3科目ずつ合格をし、3年目に7科目すべてに合格することを目指します。
1次試験に合格すると、2次試験には2回挑戦できますので、そのいずれかで合格できれば資格取得になります。
時間というリソースは限られていますので、すべての科目に分散させるよりも、2~3科目に絞った方が合格の可能性を高めることができます。
しかし、この3年計画には落とし穴があります。
それはモチベーションを維持するのが大変難しいということです。
3年間だとどうしても気持ちが間延びし、集中力が途切れやすいのです。
私は、1年間でもモチベーションを維持するのに苦心したので、3年計画だったら挫折していたかもしれません。
そんなわけですので、私としてはよほどの事情がない限りは、2年計画までが合理的かなと思います。
2年計画については下記の記事をご参照ください。
3年計画を目指すべき条件とは
基本的には、2年計画までで合格する方がメリットは大きいと思います。
では、あえて3年計画を目指すべき条件はあるのでしょうか。
・仕事や家庭の都合で勉強時間が十分に取れない方
・2年後に時間が出来る予定の方
以上のような方は、中小企業診断士を3年計画で合格を目指すのが良いかもしれません。
詳しく解説してみます。
のんびりと受験をしたい方
必ずしも合格したいわけではなく、中小企業診断士の試験領域についてゆっくりと学んでいきたい方です。
資格が欲しいわけではなく、自己啓発やビジネススキルの向上を目的として、じっくり腰を据えて学習したい方も当てはまるでしょう。
確かに、急いで合格を目指すと受験テクニックばかり上昇し、本当に身に着けたいビジネス知識などは身につかないケースもあります。
上記のような方については、3年計画で合格を目指すのもよいでしょう。
ただし、資格は不要でしっかりビジネス知識を身に着けたい方は、中小企業診断士よりもMBAの取得を目指す方が向いているかもしれません。
MBAは費用はかかりますが、腰を据えて知識を身に着けることができるでしょう。
一度、ご自身の目的を見つめなおしてみることをおすすめいたします。
仕事や家庭の都合で十分な学習時間が取れない方
仕事や家庭が忙しく、毎日の勉強時間を十分に取れない方は3年計画を取るしかないかもしれません。
具体的には、1日1時間程度の学習時間しか取れない場合は、2年での合格も難しいと思われますので、3年での試験合格を目指す方が現実的と言えるでしょう。
毎日1時間ずつ学習時間でも、1年で2~3科目ずつでしたら科目合格を勝ち取れるでしょう。
なかなか我慢を必要とする戦略ですが、粘り強く合格を積み重ねていく戦略をとりましょう。
2年後に時間が出来る予定の方
今年も来年も忙しくて時間がないけど、再来年になればまとまった勉強時間が取れそう、という方は3年計画が良いでしょう。
3年目に本格的に合格を目指す前に、ある程度負担を減らしておこう、という戦略です。
出来れば毎年2科目ずつ減らしておいて、最後に二次試験に直結する「企業経営理論」「運営管理」「財務会計」を徹底的に勉強して、そのまま二次試験まで突破してしまえれば最高です。
何らかの事情で2年後に時間が作れる方は、上記の戦略をとるとよいでしょう。
3年計画時の注意点
中小企業診断士3年合格計画に特有の注意点がいくつかあります。
下記に挙げてみますので、3年計画を採用する場合はかならずチェックするようにしてくださいね。
3年目の受験科目は絶対に落とせない
中小企業診断士一次試験のルールとして、「科目合格」は翌年度、翌々年度の試験が免除になるものです。
1年目で合格した科目の免除期間は3年目までですので、3年目に1次試験を突破できないと翌年以降は無効になってしまいます。
そうなると、3年計画どころか4年、5年と永遠に合格できないループに陥ってしまうでしょう。
3年目に残した科目は決して不合格になるわけにはいきません。
心して合格するようにしましょう。
念のため未合格科目は受験すること
中小企業診断士試験の1次試験はマークシート式です。
基本的に4択問題なので、極論を言えば、適当に答えても確率論的に25%の点数は取れることになります。
また、企業経営理論や運営管理、経済学などは一般常識レベルの問題も一定数出題されています。
ですので、試験を受けさえすれば運よく60%の点数が取れる可能性は意外と低くないのです。
※その証拠に、試験勉強を始める前でも過去問を解いてみると意外と40~50%くらいの点数が取れる場合があります。
合格してしまえばラッキーで、翌年以降その科目を学習する負担が一気に減ります。
受験料さえ払ってしまえば、何科目受験しても料金は一緒です。
受かれば儲けもの、くらいの意識でよいので、必ず狙っている科目以外も受験だけはしてみてください。
科目免除申請は忘れずに
科目合格したと言っても、免除申請を行わないと科目免除にはなりません。
この申請を忘れた場合、残った科目だけを受験して合格したとしても、科目合格した科目も受験対象となっているため、一次試験通過にはなりません。
3年間もかけてじっくり合格を積み重ねてきたのに、一気にパーになってしまいます。
意外と忘れてしまいやすいので、これだけは心に刻んでください。
3年計画におすすめの教材とは
3年計画で合格を目指す場合には、「完全独学」か「通信講座を使った独学」のいずれかを選択することになります。
予備校は基本的にストレート合格を目指す場所なので3年計画など受け入れてくれません(笑)
ですので、当サイトがおすすめするのは通信講座を利用した独学です。
自分で市販の教材を使って学習する「完全独学」はたしかに安上がりですが、合格できる可能性は低くなります。
通信講座は人気の高いスタディング「中小企業診断士講座」 か診断士ゼミナール「一次二次プレミアムコース」 がおすすめですが、3年計画の場合には「診断士ゼミナール」が特におすすめです。
診断士ゼミナールは一度購入すれば、3年目まで無料で継続することができます。
さらに、3年間で合格できれば合格祝い金3万円が返ってきます。
「スタディング」も2年以降、格安で継続できるサービスがありますが、長期戦の場合には「診断士ゼミナール」には価格面では劣ると思います。
ただし、「スタディング」にはスキマ時間に効果的に学習ができるアプリがあったり、カリキュラム面のが大変充実しています。
多少コストがかかっても確実な合格を目指したいという方は「スタディング」を選ぶのをおすすめします。
詳しくは、2つの通信講座を比較した下記の記事を参考にしてみてくださいね。
まとめ~3年計画はリスキーな戦略であると心得よ~
今回は、中小企業診断士3年で合格する戦略を検証してみました。
3年計画は長い道のりですが、確実に実力をつけることはできるでしょう。
短期決戦と比較して、長期戦は時間がかかり、費用もかかるはずです。
また、1年目の学習内容は3年目には恐らく忘れてしまっているでしょう。
3年目は「科目合格制度」が適用される最後の年なので、実はがけっぷちになります。
このようなリスクがあることをしっかり頭に入れて、戦略を検討してください。
みなさんの努力が報われますように!!