中小企業診断士資格を取得していることは新卒採用試験に有利なのでしょうか。

新卒採用試験はますます激しさを増しています。

学生のみなさんは今までよりも他の学生との差別化を図り、自分の強みで企業のヴィジョンに貢献できるかをはっきりと企業にアピールしなければならなくなりました。

そんな中、難関資格を取得しているということはひとつのアピールポイントになるでしょう。

中小企業診断士は難関資格であり、企業側のニーズも高い資格なので社内昇進を狙って資格取得を目指す方も多くいます。

では、新卒時点でその資格を持っていることは、どれだけ新卒採用試験に有利なのでしょうか。

今回は、実際に新卒採用担当者の声を聞きながらそこに迫ろうと思います。

新卒学生の中小企業診断士取得状況

下記は中小企業診断協会が毎年公開している『統計資料』から最近5年の学生の合格者数を示したデータです。

例年、中小企業診断士には10名前後の学生の合格者が出ています。
ですので、在学中に中小企業診断士試験に合格し、その資格を武器に就職活動している方がいると思われます。

合格率自体は2%~3%ほどなので、全体の合格率と比較すると少し低い傾向がみられます。

中小企業診断士資格は新卒就職に有利なのかを現役人事採用担当に聞いてみた。

では、中小企業診断士資格を持っていることは新卒採用試験にどれだけ有利に働くのか。

これを調べるのには、実際に採用担当者に聞いてみるのが一番だと思います。

そこで私が現在勤めている会社の新卒採用担当者に『中小企業診断士持ちの新卒は採用する際にプラス評価になるのか』を聞いてみました。
私が勤務する会社は一般に大企業と言われるレベルの会社で、ある程度学生人気もありますので参考になると思います。
ちなみに、この採用担当者は入社同期なので本音で語ってくれていると思います。

結論は、『中小企業診断士』の資格自体が大きく評価になるわけではない、ということでした。

また、同じ評価の候補者が2人いた時の決め手にはなる、くらいのポイントだそうです。

せっかく一生懸命とった難関資格なのにこんな低評価はあんまりだ、と感じるでしょう。

あるいはこれから資格取得を目指す方は、資格取得を断念するかもしれません。

その理由は、

中小企業診断士という資格自体が独占業務がなく、簿記や会計士なら経理、弁護士なら法務といった、スペシャリティを発揮する場所がないから。

というのが大きなところでした。

新卒が中小企業診断士資格を持つ価値とは

では、新卒採用において中小企業診断士資格には価値がないのでしょうか。

採用試験の場合において、中小企業診断士の資格自体があまりイニシアチブにはならないのは事実かも知れません。

しかし、私の同期はこうも言っていました。

資格自体にはそこまで大きな価値がないけれど、資格をとろうとした理由、そして資格を取るまでの努力と難関資格を勝ち取った経験には大変な価値があるよ。

つまり、中小企業診断士資格を持っていることは、

・学生ながら何かを成し遂げようと思い立ったモチベーション
・コツコツ努力を積み重ねられる忍耐力
・難関資格を勝ち取った成功体験による自己肯定感やマインド

を持っているということの証明には大いになりうる。
さらに言うならば、そういう人物はどんな会社でも必要とされる人財だと思う、とのことでした。

要は、採用担当者はTOEIC900点だろうと簿記一級だろうと、その資格自体をみて評価しているのではなく、その過程とストーリーをみて将来性を見ているのだということです。

我が同期ながら、とても良いことを言うなぁ、と感心しました。

中小企業診断士資格は新卒採用試験に大いに活用できる

中小企業診断士資格の価値は『自分のパーソナリティの表現とその証明』にあり、新卒採用試験において活用することができるということです。

よって、もっとも大切なことは

資格の価値ではなく資格を取った自分の価値を語る

ことでしょう。

それ以外でも、私自身が中小企業診断士資格受験をとおして学習する論点は、就職試験で大いに活用できると思います。

特にSWOT分析やVRIO分析は自己分析と会社分析に多いに役立てられます。

自分の強み・弱みをSWOTで分析し、VRIOでより深め、希望の会社の強みと機会にどう活かせるかを具体的に考えられれば、合格に近づくことができます。

まとめ

今回は新卒採用試験に中小企業診断士資格は有利にはたらくのかを検証してきました。

これから中小企業診断士試験の受験を考えている学生のお役に立てれば幸いです。

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