ビジネスマンに人気の資格である「中小企業診断士」と「宅建士:宅地建物取引士」。
スキルアップやキャリアアップのためにどちらかを取得したい方は多いのではないでしょうか。
しかし、実際にどちらを受験しようかと悩んでいるうちに刻一刻と時間は過ぎていく。。。
今回はそんなあなたのために、中小企業診断士と宅建士を徹底比較してみました。
この記事を読めば、あなたが中小企業診断士と宅建士のどちらを受験すべきかはっきりするでしょう。
是非、最後まで読んでみてください!
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Contents
中小企業診断士と宅建士 どちらの難易度が高いか
中小企業診断士と宅建士はどちらの難易度が高いのでしょうか。
まずは中小企業診断士と宅建士の試験について、概要を把握しましょう。
両試験について比較してまとめた以下の表をご覧ください。
中小企業診断士試験 | 比較項目 | 宅建士試験 |
国家資格 | 資格の種別 | 国家資格 |
特になし | 受験資格 | 特になし |
年1回実施 ◆1次試験:8月上旬 ※2021年は7月中旬 ◆2次試験:10月中旬 |
試験実施時期・頻度 | 年1回実施 10月第3日曜日 |
17,000人前後 | 受験者数 | 22,000人前後 |
◆1次試験:20%前後 ◆2次試験:20%前後 |
合格率 | 15~16% |
◆1次試験:7科目 |
受験科目/合格条件 | *受験者数に応じて合格点数が変化する相対評価方式 *おおむね、50点中35点前後が合格点となる |
1次試験:1万3000円 2次試験:1万7200円 |
受験料 | 7,000円 |
それでは、上記の表をもとに中小企業診断士と宅建士の試験で特徴的な違いについて比較していきましょう。
試験方法の違い
中小企業診断士試験も宅建士試験もどちらも年1回の実施ですが、両試験では合格すべき試験の回数が違います。
宅建士は10月第3週の試験で一発勝負です。
対して、中小企業診断士試験は8月に一次試験を受験し、合格すると受験できる10月の二次試験、最後に12月の口述試験の3つの試験に合格する必要があります。
口述試験については99%合格しますので、中小企業診断士になるには実質的に2つの試験に合格する必要があります。
ただし、中小企業診断士試験に「科目合格制度」があります。
一次試験で60%以上得点した科目は「科目合格」となり、2年間は免除になります。
また、一次試験をクリアした場合には、2次試験をその年を含めて2年間受験する権利が与えられます。
以上から、中小企業診断士試験は長期戦、宅建士は短期決戦、というイメージすることができるでしょう。
試験合格率の違い
宅建士の合格率はおおよそ15%ほどです。
直近の6年分の合格率がこちらです。
年度 | 合格率 |
令和元年度 | 17.0% |
平成30年度 | 15.6% |
平成29年度 | 15.6% |
平成28年度 | 15.4% |
平成27年度 | 15.4% |
平成26年度 | 17.5% |
基本的には15%台の合格率で、年度によって17%台に乗ってくるようですね。
決して高い合格率ではありません。
中小企業診断士試験の合格率は、1次試験、2次試験ともに20%前後です。
実施年度 | 一次試験合格率 | 二次試験合格率 |
令和元年度 | 30.2% | 18.3% |
平成30年度 | 23.5% | 18.8% |
平成29年度 | 21.7% | 19.4% |
平成28年度 | 17.7% | 19.2% |
平成27年度 | 26.0% | 19.1% |
試験ごとの合格率は宅建士よりも高いのですが、中小企業診断士試験は両方の試験に合格する必要があります。
よって、20%×20%=4%が最終合格率だと思ってください。
最終合格率で考えると宅建士試験よりも中小企業診断士試験の方が難関試験と言えます。
試験費用
宅建士試験の受験料は7,000円です。
対して、中小企業診断士試験は一次試験が1万3000円、二次試験は1万7200円です。
※口述試験は受験料がかかりません。
受験料合計で30,000円ほどかかります。
前年度科目合格して受験科目が少ない方も受験料金は変わりません(笑)
結論:中小企業診断士の方が難易度が高い
以上を踏まえた全体的な結論としては、中小企業診断士の方が難易度が高いといえます。
試験が2段階であることや、それぞれの合格率が20%前後であること。
さらには、中小企業診断士は受験する人の学歴も難関大卒が多いというデータもあります。
単純な難易度では中小企業診断士の方が高いでしょう。
しかし、中小企業診断士試験には科目合格制度があります。
科目合格制度をうまく利用すれば、2年度以降の合格可能性を上げることができますので、しっかり戦略を立てて臨めば合格は決して不可能ではありません。
詳しくは下記の記事も参考にしてみてください。
中小企業診断士と宅建士 仕事の違い
資格をとるなら、その資格を取るとどんな業務ができるのかを知ることが重要です。
特に重要なのが『独占業務』があるかどうかです。
例えば、弁護士は弁護士資格の独占業務であり、財務書類の監査は公認会計士資格者の独占業務です。
いわば『独占業務』がその資格の『価値』とも言うことができるでしょう。
ここでは、中小企業診断士と宅建士の独占業務の違いを見ていきましょう。
中小企業診断士と宅建士、独占業務はある?
CHECK!!宅建士には独占業務がある!!
宅建士にははっきりとした独占業務があります。
以下の3つの業務は法律上、宅建士しか行うことができません。
② 重要事項説明書への記名・押印
③ 37条書面(契約書)への記名・押印
そのため、不動産業者の事務所には従業員の5人に1人の割合で宅建士を置く必要があると法律で定められています。
また、これらの業務は銀行など金融機関で融資を行う際、不動産を担保とするときに必要なため、金融業界でも重要視されます。
さらには、常に多くの宅建士が必要とされるので転職活動にも非常に有利になると言われています。
こうした理由で、宅建士の独占業務は非常にニーズが高く、宅建士の受験生が多い大きな理由となっているのです。
CHECK!!中小企業診断士には独占業務がない!!
残念ながら中小企業診断士には独占業務がありません。
中小企業診断士は唯一のコンサルタントの国家資格ですが、コンサルタント業務は資格がなくてもできます。
コンサルタントの実務で言うならば、資格もちよりもコンサルティングファームで経験を積んだコンサルタントの方が優れていると言えるでしょう。
それでも、中小企業診断士に人気があるのは『社内中小企業診断士』というポジションが欲しい方が多いからです。
つまり、マーケティングや企画部に社内異動を希望する大手企業に勤務する方が、それらの最低限の知識を自分が持っていることを証明するために取得するのです。
『独占業務』がないのに中小企業診断士を目指す方が多く、ビジネスマンに人気のある資格なのはそのような理由なのです。
中小企業診断士と宅建士 どちらが稼げるか
では次に中小企業診断士と宅建士のどちらが稼げるかを比較していきましょう。
次の表は、中小企業診断士と宅建士の平均年収を比較したものです。
中小企業診断士 | 宅建士 | |
700万円 | 平均年収 | 500万円 |
中小企業診断士試験の方が取得が難しいだけあり、平均年収では200万円ほどのひらきがあります。
しかし、ここで考えなくてはならない要素があります。
それは、この平均年収の調査対象が専業の中小企業診断士・宅建士だけではない、ということです。
つまり、会社に勤務しながら資格を持っている人の年収が含まれているため、その資格を取得する人が勤務している業界の給与水準が大きく影響しているということです。
弁護士や会計士など、その資格自体で稼げる金額=平均年収と考えてはなりません。
中小企業診断士を取得する方の背景は多岐にわたりますが、大手銀行やコンサル会社など、一般的に所得が高いと言われている業界の方が多く含まれています。
対して、宅建士を取得する方は不動産業界の方がほとんどでしょう。
不動産業界も一般的には高収入な業界と言われていますが、上記のような業界と比較するとやや見劣りします。
その差が、両資格の平均年収の差となっていると理解してよいでしょう。
結論:中小企業診断士の方が稼げる! だが・・・
資格取得者の平均年収で比較すると、上記の通り中小企業診断士の方が稼げることになります。
しかし、宅建士を取得する方は不動産業界の方か、もしくは不動産業界へ就職を考えている人がほとんどでしょう。
不動産業界では一般的に、宅建士を持っていると会社から手当てが入り、平均すると月収で3万円ほど有利だと言われています。
逆に、中小企業診断士を持っていて手当てが入る業界は一部の銀行くらいだと思われます。
年収をすぐに向上させたい人は宅建士を取得する方がよいでしょう。
そして、将来的に中小企業診断士も取得し、ダブルライセンスで自分の市場価値を上げ、より年収の高い業界へ転職すれば、年収を大きく上げることもできます。
要は今の仕事、未来の仕事に活かせる資格を選ぶのがよいでしょう。
中小企業診断士と宅建士 おすすめの学習方法
中小企業診断士と宅建士、どちらも難関資格であり、しっかりと対策をしなくては合格することはできません。
しかも、どちらも社会人が受験することが多い資格です。
忙しい仕事の合間をぬって予備校に通学するのもなかなか難しいでしょう。
さらに、地方は通学できる範囲内に中小企業診断士や宅建士の予備校がないことも稀ではありません。
そこで、私がおすすめするのは『通信講座』での受験です。
通信講座なら、仕事の合間にレベルの高い学習を進められますし、地理的な不利を受けることもありません。
中小企業診断士と宅建士は確かに難関資格ですが、通信講座で合格することが十分に可能な資格です。
私も実際に中小企業診断士に通信講座で合格できています。
これから学習を考えているのであれば、通信講座での学習をおすすめします。
①圧倒的な低コスト:中小企業診断士なら6万円台、宅建士なら2万円弱で受講できます。
②圧倒的なスキマ時間活用:テキスト・問題集・過去問すべてがモバイル上で完結。スキマ時間で学習できます。
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中小企業診断士と宅建士まとめ
中小企業診断士と宅建士の比較を詳しくしてきました。
どちらも人気資格で、どちらかを取得するか検討している人も多いと思います。
私がおすすめするのは『宅建士』から取得することです。
難易度が高い中小企業診断士から挑戦すると、資格取得に何年もかかってしまい、モチベーションが下がってしまう可能性が高いからです。
さらに『宅建士』の学習範囲は法律系の知識が多いため、しっかり学習しておくと中小企業診断士試験の難関科目である『経営法務』への対処がしやすいということもあります。
『中小企業診断士』はダブルライセンスでこそ輝く資格でもあります。
まずは『宅建士』を取得して、『中小企業診断士』へステップアップするとあなたのキャリアがますます輝くことでしょう。