中小企業診断士になれば人生変わる?結論『変わりません』その理由とは?

中小企業診断士試験は、税理士試験などとも比べられる難関試験として知られています。

また、コンサルティングに関する唯一の国家資格です。

そのため、中小企業診断士試験に合格することで「人生が変わる」という期待があります。

難関資格の中小企業診断士試験に合格するのならそれくらいの見返りは欲しいと思います。

では、本当に人生が変わるのか。

合格した私自身の人生は変わったのか。

その問いに対する私なりの答えは中小企業診断士に合格しても「人生は変わらない」です。

今回は、中小企業診断士のリアルな事情をお伝えできればと考えています。

中小企業診断士で「人生が変わる」と思われる理由

合格が難しい難関資格である

ひとは費やしたコストに見合った分の見返りを得たいと思います。

逆説的に言えば、「人生を変えたい」という大きな成果を得たい場合、大きなコストを支払えばよいと考えます。

そこで大きな努力を費やす必要のある資格=難関資格に挑戦することで、人生を変えるほどの見返りを得られると期待します。

中小企業診断士は難関資格です。

合格するためには数十万円という金額と1000時間以上の勉強時間が必要とされています。

それだけのコストを支払えば人生を変えるだけの効果を求めるのは当然だと思います。

コンサルティングの唯一の国家資格である

マッキンゼーやボストンコンサルティンググループなど、コンサルティング会社は社会人にとって憧れの会社のひとつです。

理論的に企業の問題を解決していく業務のスマートなイメージや、その対価としての圧倒的な高収入などは、だれでも一度は憧れるでしょう。

中小企業診断士という資格は唯一のコンサルティングの国家資格といわれます。

合格するために学ぶべき科目もマーケティングや労務管理、法務や経済学など、一流のビジネスマンが習得すべきスキルに関連したものです。

これらの科目を学ぶことで、自分もコンサルタントとして一旗あげられると期待するのは一理あると思います。

実際に一流のコンサルタントで中小企業診断士資格を持っている方も何人か知っています。

中小企業診断士に合格して一流のコンサルティング会社に転職ができれば、人生を変えられるでしょう。

実際に稼いでる人もたくさんいる

中小企業診断士として活躍している方は、1000万円以上の年収があると言われています。

おそらく、中小企業診断士として一流の方は副収入もあると思われますので実際はもっと稼いでいると思われます。

独自の人脈と信頼を築き上げ、さまざまな困難を解決してコンサルティング費用で高収入を得ることで人生を変える。

中小企業診断士試験を受験するモチベーションになっている人もいるのではないでしょうか。

中小企業診断士に合格しても人生は変わらない

しかし、実際には中小企業診断士の資格に合格したからと言って劇的に人生が変わるということは期待できないと思います。

その理由を紹介しましょう。

独占業務はない

同じ難関資格の税理士や公認会計士のような独占業は中小企業診断士にはありません。

ですので、中小企業診断士の資格をとったからといってすぐに仕事に恵まれるということはありません。

さらに中小企業診断士という資格は上述の通り、国が認めた唯一のコンサルティングの資格です。

しかし、中小企業診断士をとればすぐにコンサルティングファームで勤務できるわけではありません。

例えば、大手コンサルティングファームらがこの資格を勤務要件としていないことからも分かるでしょう。

コンサルタント業務につきたいのなら、資格に頼らない地道な実務経験を積んでいく必要があります。

すぐに独立できるわけではない

中小企業診断士の資格を取ってもすぐに独立できるわけではありません。

いや、正確に言うと独立自体はできますが、仕事がありません。

ツテやコネがあれば別ですが、基本的には中小企業診断士は商工会議所などに登録して業務を回してもらうか、自分で仕事を探してこなくてはなりません。

それらの業務を一つ一つ、丁寧に成功に導き、実績を積んでいくことで個人で仕事を集められるようになってきます。

個人で十分な収入を得るためには少なくとも3年はかかると思ったほうがよいでしょう。

認知度もいまいち低い

会社勤務の方では、中小企業診断士を取得するとキャリアアップになる方もいると思います。

地方銀行などでは、中小企業相手の融資活動があるためこの資格は大変重視してもらえると聞きます。

対して、一般の企業などはどうでしょうか。

私の会社は大手メーカーですが、中小企業診断士は会社推奨の資格に入っていません。

社労士や税理士、簿記2級以上は会社推奨として、一定の補助が与えられるのに対して。。。

そして、あまり認知度も高くありません。

中小企業診断士という名前がコンサルティングと離れているためで、中小企業診断士を取ったと言ってもあまり聞こえは良くない印象です。

知っている方からは一目置いてもらえますが。

中小企業診断士に挑戦することで「人生を変える」ことはできる

ここまでの話を覆すようですが、私は中小企業診断士試験に合格したことで人生を変えることができました。

それは資格自体の効果ではなく、合格までに得ることが出来た知識や人脈によってです。

中小企業診断士試験に合格するためには、ビジネスに必要な教養を体系的に集中して学ぶ必要があります。

例えば、普通に社会人をしている中では、意思決定会計や、企業戦略理論や経済学、会社法などの法律知識を学ぶことはないでしょう。

私はこれらの中小企業診断士試験受験で得た知識を活かして、事業戦略を立案する部門に異動することができました。

また、普段メディアから流れてくるニュースの理解も深くなったため、ビジネスマン同士の対話も深みが増しました。

例えば、

・日銀が金融緩和に踏み切った(経済学の知識)
・日本の借金が●●円で国がつぶれる(財務会計の知識)
・みなし労働と裁量労働制の違い(経営法務の知識)

のようなニュースも深く意味合いをとらえることができます。

これによって何が変わったかというと、ビジネスの種を多く発見することができるようになりました。

中小企業診断士資格をとってから副業としてですが、事業をいくつか初めています。

つまり、中小企業診断士試験の学習を通して、自分自身が確実にスキルアップができます。

資格の威力に頼れなくても、自分の力で道を切り拓く力が付くというのが中小企業診断士という資格受験の大きなメリットであるということができます。

私自身の人生はどう変わったか

それまでの10年間は営業一本で歩んできた私は、2018年の中小企業診断士試験に合格し、、2019年の春に社内での応募制度で戦略企画室へ異動することができました。

募集は1人で応募者十数人の状況で面接を勝ち上がり、椅子を勝ち取ったのです。

その時の採用面接をしていた今の上司に選ばれた決め手はなんだったかを聞いてみると、

「みんな面接の時は頑張ります!と調子のいいことを言う。でも本当のところはどうかわからない。

中小企業診断士試験に合格しているということは継続して努力できることの何よりの証明になった。

資格は最重要事項ではないが、その人の人となりを証明する良い材料にはなりうる」

ということでした。

努力が報われたと思う瞬間でした。

みなさんも、今の自分の境遇を変えたい!

新しい仕事にチャレンジしたい!

と考えるなら、椅子が回ってくるのを待つのではなく、自分がチャレンジできる人材である証明として資格を取得するのは良いのではないでしょうか。

そのためには中小企業診断士はとても良い資格だと思います。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

本日は中小企業診断士という資格をとれば人生が変わるのかについて、まとめてみました。

中小企業診断士資格にチャレンジしようか迷っているかたは、ぜひ一歩足を踏み出してみてください!

あなたの挑戦が実を結びますように!!

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